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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第23章 1%を100%に


謙信「俺は舞が居ないこの時代で、どうやって生きていけば良いのだっ。
 確かに…俺は舞が傷つき、死ぬことを恐れていた。それを知っていた舞が俺のためになんとしても生きようとしてくれたこともわかっている。

 だが手の届かないところへ行ってしまっては、俺にとっては死が二人を分かったのと変わらないっ」

佐助「謙信様…」


生気を失った顔で目だけがギラギラと光り、怖いくらいだった。


謙信「苦しい。人を愛するとはこんなにも苦しいものか…。
 俺はあいつを失い、頭がおかしくなりそうだ。家臣たちの前では平然を装っているが、とうに限界にきている。
 息をしているのに肺は満たされず、頭には晴れない霞がいつもかかっている。
 鮮明に思い出すのは舞との短い日々だけだ。それは時に甘く、激しく俺の胸を焼き尽くす。



 俺はっ…、舞が居なければ息もできない!」



胸を激しく焦がす恋情という炎が謙信様を飲みこもうとしていた。
絞り出すような声は謙信様の心の叫びを表すようだった。


(俺にまで胸の内をさらすなんて…。もう謙信様の心がもたなくなっているんだ)


佐助「謙信様、酷な事を言いますが、それでも生きてください。
 死んでしまっては何もできません。ワームホールの発生確率は0%ではありません。
 日々変動しますが数値が出ているんです。
 いつでも動けるように少しでも食べて寝てください」


燃え上がった炎が一気に鎮火したように謙信様の表情が虚ろなものに戻った。


謙信「ああ、わかった。正気があるうちは、そのように努力しよう…」


俺は謙信様が横になるのを黙って見ているしかできなかった。


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