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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第23章 1%を100%に


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(今夜は寝てくれたみたいだな)


屋根裏からの城内巡回をしている途中、謙信様の部屋を見ると久しぶりに体を横たえている姿が見えた。

極端に減っていた睡眠時間に心配していたところだった。

次の場所へ移動しようとした時、急に謙信様の口からうめき声が漏れた。


佐助「!」


ハッとして下の様子をもう一度確かめる。

さっきまで寝ていた謙信様は体を起こしていて茫然自失といった体(てい)だ。


(どうしたんだ?)


謙信「…ここは俺の城か」


ポツリと漏れた声が苦しげだった。

すぐに俺の存在に気が付いたらしく、声が掛かった。


謙信「佐助。居るのだろう?降りてこい」


天井板を一枚外して謙信様の前に着地する。


佐助「夜の巡回中でした。起こしてしまったのでしたらすみません」

謙信「いや、たまたま目を覚ましただけだ。眠ると夢ばかり見る」


物憂げに視線を落とす謙信様の姿は痩せて線が細くなった。袖から覗く腕は張りがなく細く、以前のように刀を振るえないだろうことが窺えた。


(俺を寝所に入れるなんて珍しいな)


謙信様は最近、現代人仲間だという俺を通して舞さんの姿を追っている。
そんな機会が増えた。


俺を傍に置き、


― 500年後の日の本で舞はどのような場所で、どんな暮らしをしているのだろうか

― 女一人で危なくはないのか

― 着物を着ないのなら何を着ているのだ?

― 今頃何をしているのだろうな…


500年後の話をよく聞きたがり、俺は謙信様の気が済むまで答え続けた。

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