第23章 1%を100%に
俺や幸村は家臣達よりもさらに謙信様の変調を感じていた。
ある時は、
幸村「謙信様?もう夜更けですけど、どこに行くんですか?」
謙信「安土だ。舞が呼んでいるような気がする」
幸村「しっかりしてくださいよ。安土に行っても舞は居ませんよ」
ある時は、
佐助「謙信様、食事の時間です。喉を通りやすそうなものを作ってもらったので、食べてください」
謙信「こんなに早くにか。まだ日も出ていないというのに」
佐助「謙信様、これは夕餉です。日はさっき落ちたばかりですよ」
謙信「そうだったか?」
佐助「……」
謙信様がそんな調子だったので、俺と幸村は心底心配していた。
信玄様が居たなら良い手が打てたかもしれないが、舞さんの手紙の件があってすぐに、持病が悪化して療養に出てしまっていた。