第17章 姫の手紙
信玄・幸村「「なんでだ(ですか)?」」
信玄と幸村は首を傾げ、佐助はどらとらざえもんを見て気が付いたようで興奮気味に頷いた。
佐助が『て』『ん』と『た』を抜き、ローマ字を平仮名へと変換していく。
その様子を見ながら謙信は信玄と幸村に説明した。
謙信「どらとらざえもんはトラを模したからくり人形なのによく『たぬき』と間違われるそうだ」
『たぬき』と聞いて二人は小さく頷いた。
謙信「……」
『こんなくだらない話もいつか役に立つかもしれませんよ。
雑学って言うんです!』
得意げに笑った舞を思い出し、謙信の頬が緩んだ。
それと同時にどうして国へ帰ってしまのか胸が痛んで仕方ない。
悪夢を見ているようだ。
佐助「……今までのヒントを元にしてもまだ読み解けません。
この下線の意味を紐解かないと…」
幸村「この色ってすげぇ綺麗だな」
佐助「これは色鉛筆だ。今俺が使っている鉛筆と構造は一緒で、芯に様々な色素を入れて作ってある。
舞さんはデザイナー…着る物のデザイン、えっと、柄や形を考えて作る…針子のような職を目指していたから持ち歩いていたのかもしれない」
幸村「お前の国って本当に訳の分からない言葉がたくさんあるんだな」
カナの言葉が出る度につっかえて説明する佐助に、幸村が呆れている。
信玄「謙信…何か思い当たる事はないのか?」
謙信「……………」
謙信は舞が発言した言葉はほぼ覚えている。
この色とりどりの線に繋がる記憶………。
自分にだけわかりえるもの……。
『色』に関する会話。