第16章 武将くまたん
蘭丸は本能寺で火傷や骨折といった大怪我を負ったため、しばらく安土を留守にしていた。
舞と入れ替わるように安土へ戻り、火が消えたように静かな城に訝しんだのはついこの間のことだ。
(あの火事の中、星屑みたいに光りながら突然現れた人だよね。どんな子だったんだろう)
蘭丸は燃え盛る本能寺の中で舞が現れる瞬間を目撃した唯一の存在だったが、それは誰も知らないことだったし、蘭丸自身も誰にも言うつもりもなかった。
蘭丸「いつか帰ってきてくれると良いな。俺、友達になりたい。絶対仲良くなれる気がする」
秀吉「そうだな。お前ならあいつとうまが合いそうだ。
いつかまた会いたいと俺も思ってるよ」
秀吉はもう会えないのではと確信に近いものを感じつつ、蘭丸の無邪気な言葉に心救われるような気がした。
信長「姫たんは天主に飾る。見たい時に来ると良い。今日はこれで終いとする。
光秀、貴様には話がある。残れ」
一同武将くまたんを手に広間を後にし、2人が残った。