第16章 武将くまたん
家康の鼻に花のような香りが舞い込んできて、姫たんの笑った顔が舞と重なった。
家康「!貰ってあげても良い…気がしてきた」
家康は無表情で姫たんをわし掴みにすると赤子にするように両手で持ち上げて上下に揺らした。
政宗「あ!家康っ、てめえ勝手に姫たんをとるな!」
信長「待て。文の最後に『もし姫たんが欲しい人が複数だった場合はくじで決めてください』とある。秀吉、蘭丸を呼べ」
秀吉「はっ」
呼ばれた蘭丸が全員の前でくじを作成し、6人にひかせた結果、当たりを引き当てたのは、
信長「ふん、他愛無い。まぁ、くじなど引かなくとも俺の所有物でもあった舞が残していったというなら最初から姫たんは俺のものだがな」
ニヤリと笑い、のぶたんと姫たんを並べて眺める信長は満足そうだ。
家康「蘭丸…変な仕掛けしてないよね」
広間に居る武将達にジト目で見られ、蘭丸が慌てて否定した。
蘭丸「やだなぁ。くじを作るところからひき終わるまで皆でお互いを見張っていたじゃない。
あんな状況じゃ誰もズルなんかで出来ないと思うけど」
はずれたくじを握って残念がる武将達を見て、蘭丸は好奇心溢れる笑みを浮かべた。
蘭丸「舞様は随分と可愛がられていたんだね。俺も会いたかったな」
武将くまたんを羨ましそうに見ている。