第16章 武将くまたん
秀吉「ここからは舞からの言葉だ。
『信長様、秀吉さん、光秀さん、政宗、家康、三成君、短い間だったけどお世話になりました。
たくさん良くして頂いたのに、何もお礼をしないまま安土を去ることをお許しください。
私は生きるために国へ帰ることにしました。
遠く離れていても皆さんが築き上げていく世を見守っています。
皆さんが乱世を生き抜き、しわしわのおじいちゃんになるまで生きてくれるよう切に願っています。
武将くまたんは、皆さんが大切な人と離れてしまう時に、その人に渡してください。
奥様、子ども、恋仲の女性、想いを寄せている人、友人、兄弟、部下。どのような関係の方でもかまいません。
皆さんが決めたたった一人のその方が、あなたと離れていても寂しくないよう、強く居られるよう、渡してあげてください。
いつの時代も大切な人と離ればなれになるのは辛く、寂しいものです。
武将くまたんが少しでも役に立てばと思います。
面倒なお願いをしてしまいますが武将くまたんがお役目をを終えた時、他の誰かに渡らぬように燃やしてください。
私事ですが育ててくれた父は昨年他界し、私は一人でした。
皆さんと出会い、まるで父のように、兄のように、友のように慕っていました。
面と向かっては恥ずかしくて言えないので、私の気持ちは武将くまたんに全て託しました。
『姫たん』を作りましたが要らなければ服を着せ替えて、違うくまたんにしてもかまいません。
最後となりましたが皆様が無事であるよう、幸せであるよう、遠くから祈っております。
舞』