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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第16章 武将くまたん


秀吉「わるたんは、何を考えているか誰にもわからない。いつの間にか居なくなって、ひょっこり現れる。
 でも揺らがない信念を持っていて、それはきっと強くて暖かい。
 意地悪だけどそっと気遣ってくれるわるたんが、姫たんは大好き。
 ひでたんとは違うタイプのお兄さん。

 本当に困ったり、落ち込んだりした時にさりげなく手を差し伸べてくれて、ありがとう」


三成「大好き…」

家康「たい…ぷ、ってなんのこと?そういえばあの子、時々妙な言葉を使ってたな」

政宗「前後の流れで、ひでたんとは違う質(たち)っていう意味じゃないか?」

光秀「信長様が父で、秀吉と俺が兄か。あいつは随分と愉快な家族を持っているな」

秀吉「おい、信長様にむかって『愉快』とは無礼だろう!」


秀吉が眦を上げた時、信長の鉄扇がパシンと閉じられた。


信長「そのような些細なことは良い。して、わるたんの懐からはみ出ているものはなんだ?」


一同、わるたんを見るも、その後ろ姿しか見られない。


秀吉「光秀が飼っている狐のチマキでしょうが、口に咥えているものに関しては特に文に記載はありません」

光秀「信長様。拝見しても?」

信長「かまわぬ」


光秀は一礼して立ち上がると、わるたんを手に取った。


光秀「これは…『はーと』ではないかと。
 以前舞と話した時に『心』『愛情』のことを南蛮の言葉で『ハート』というと…両手でこのように表していました」


光秀は舞がしたのを思い出し、両手でハートマークを作って見せた。


その形と、チマキが咥えている赤いモノの形が重なった。


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