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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第15章 雪原に立つ


(姫目線)


雷の音が近くなった。


「お願い、私はここ。ここに来て」


空を見上げて呟いた。
離れた場所に発生してもこの体では走るのは不可能だ。

私は片手を空にかざして願った。


「あっ」


突然頭上で黒い雲がグルグルと渦を巻き、それを視認した時には雷が近くに落ちていた。

轟音がビリビリと空気を震わせる。


??「舞!!」


誰のものかわからない声が聞こえ、こちらに駆け寄ろうとしている秀吉さんの姿が見えた。


「来ちゃ駄目です!」


お腹に力を入れて叫ぶと声が届いたのか足は止まった。

周りの風景に歪みが生じた。


(きた!)


皆から貰った贈り物が入ったバッグを抱きしめた。
信長様達が驚愕の表情でこちらを見ている。
 

(最後だ、本当に)


最後は笑っていたい。

下がりそうになる口角を無理やりあげた。


「ありがとう」


そうつぶやいた瞬間、ぐにゃりと大きく視界が歪んで何も見えなくなった。


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