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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第15章 雪原に立つ


信長「秀吉から聞いたが国に家族はいないそうだな」


前を向いたまま信長様が聞いてきた。


「はい」

信長「子を産んだら安土に帰ってこい」

「え?」

信長「恋仲の男は安土の人間なのだろう?
 体を治し子を産んだら、その男と共に生きれば良いだろう」

「お気遣いありがとうございます。ただ私の国は遠く、そう簡単に行き来ができません。
 それにあの方は…」

信長「子の父とは生きられぬ、か?そう言われたのか」


前を見ていたと信長様がいつの間にかこちらを見ていた。
その表情に怒りがにじみ出ている。

私は急いで否定した。


「いえ、そんなことは一言も。
 あの方は私が身籠ったことさえご存じないのです」

信長「どういうことだ。ゆきずりの男と情を交わしたのか?」

「そ、そんなことするわけないじゃないですかっ!」


(なんだかいつの間にかお腹の子の父親の話になってる!なんとか話をそらさないとっ)


信長「そのように気を乱すな。腹の子にさわるぞ」


信長様は私を諫め、お腹を撫でてくれた。


信長「お前の相手が誰かなどどうでも良い。
 一人で育てるつもりなら俺の子とし、妻となり安土で暮らせ。部屋を設けてやる」


(え!?)


突拍子のないことを言われて目をパチパチさせる。


(このお腹の子供を信長様の子として、迎え入れて下さるってことっ!?)


一瞬止まった思考が急速に回転し始めた。


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