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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第2章 夜を忍ぶ


(佐助君だっ!!)


一瞬この格好に慌ててしまったけど、よく考えれば佐助君ならスポーツウェアなんて見慣れたものだろう。


(この服の感想をきいてみようっと)


軽い気持ちで天井に返事を返した。


「どうぞ」


天井の板がすっと動き、黒い影が音もなく降り立った。

綺麗に舞い降りた姿は、いつもと違う真っ黒な忍び装束に包まれている。

目の部分しか肌はでておらず、背格好も違う。


(佐助君じゃないっ!!)


「っ……!?」


びっくりして声をあげそうになったところを簡単に抑え込まれた。
身のこなしが早すぎて、いつ後ろをとられたのかわからなかった。

誰ともわからない忍びに背後から動きを封じられ、恐怖で慄いた。


その時、フワリと嗅いだことがある香の匂いがした。


(え…まさか)


強張っていた体から自然に力が抜けた。

その香りの持ち主は、むやみに私を傷つける人ではないと知っていたから。

私の体から力が抜けたのを感じとり、背後にある体が一瞬動きを止め、抑えつける力がフッと弱まった。

恐る恐る振り返った。


???「……」


その人は口布を下げ、頭にかぶっていた頭巾も取り払った。

乱れて目にかかった髪をうるさそうに横に流し、こちらを見た二つの目は…二色(ふたいろ)だった。

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