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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第15章 雪原に立つ


「ふふ、みの虫みたい。ありがとう、秀吉さん」

光秀「秀吉、今は落ち着いているようだが馬が動けば急変する可能性がある。
 しっかり見張っていろよ」

秀吉「わかった。じゃあ三成、いってくる。城をしかと守れよ」

三成「承知いたしております。
 舞様、お元気になられて下さいね」


三成君は馬上の私を見上げるようにしてポツンと佇んでいる。
薄灰色の髪や紫色の着物に雪がついて冷たそうだ。


「うん、治療頑張るね。お世話になりました。猫さんにもよろしくね。
 三成君……お別れだから最後に笑ってみせて?
 私、三成君の笑った顔が大好きなの」


三成君は照れたように片手で口元を押さえた。


(笑って…三成君)


促すように私が笑いかけると紫の瞳が丸く見開かれて、やがていつもの輝くような笑みが浮かんだ。


(明るくて暖かい。雪が融けてしまいそう。きっと三成君を思い出す時はいつも笑ってるんだろうな)


眩しい笑顔を見せてくれた三成君に感謝して、別れの言葉を贈る。


「ありがとう三成君。元気でね、さようなら」

三成「ええ、あなたの事は忘れません。お元気で…」


最後の言葉を交わし終えたところで声がかかる。


信長「別れは済んだか。では出発する!」

秀吉・光秀「はっ!」


馬がゆっくりと進み始め、ユラユラとゆれる視界に目を瞑った。


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