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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第15章 雪原に立つ


玄関で光秀さんが履物を履く間、三成君が私を抱いてくれた。
別れを惜しむようにお互い無言で見つめ合った。


「三成君、お願いがあるの」


光秀さんをチラリと見ると、まだ腰を下ろしたままだ。
家臣の久兵衛さんと何か話している。


三成「あなた様のお願いとあらば聞きましょう。
 願いとは何ですか?」


(時間がない。手身近に…言葉を選んで伝えなきゃ)

(本当は駄目だってわかってるけど三成君をどうしても…)


「あのね、家康と喧嘩しないで欲しいの」


三成君は意外に思ったようで、目を丸くしている。


三成「家康様と私が…ですか?」

「うん、周りを巻き込むようなとびっきり大きいやつ。
 それだけは絶対しないで、一生のお願い」


歴史に疎いけど三成君の悲惨な最後は知っていた。

三成君は任せてくださいと言わんばかりに大きく頷いた。


三成「ええ、お約束します。大喧嘩など致しません。
 多少諍いがあったとしても、私と家康様なら話し合えば必ず解決致します。
 心から尊敬する家康様と喧嘩することはありません」

「ありがとう、約束…ね」


これで三成君の悲惨な運命が避けられるかもしれない。

肩から力が抜けた。


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