• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第15章 雪原に立つ


「ふふ、光秀さん凄いですね。その通りです。
 冬になるともっと厚みがあるものを履くんですが、私がこちらへ来た時は暖かい時期だったので、このように薄いものしかありません」

光秀「そうか…。ではお前の国の女は着物ではなくこのように変わった服を着て、冬でも足をさらして歩いているのだな」

「そうですね。着物は滅多に着ません。代わりにこのような洋服というものを着ています。
 洋服は形も色も多様で各々自分の好みで組み合わせて着ます。腕や足くらいなら素肌を見せても気にしないです」

光秀「そうか。愛らしい姿のお前を堪能できた、礼を言う。
 秀吉あたりがお前の国へ行ったら卒倒しそうだな」


光秀さんはおかしそうに笑い、三成君の羽織をかけ直してくれた。
包まれた安心感にホッとする。


光秀「…よく頑張ったな」


唐突にそう言われ、見返した。


「何がですか?」

光秀「お前は着るもの、使う言葉、おそらく風習も違うであろう国からここへ来たのだろう?
 さぞかし戸惑い、苦労しただろうと思ってな」

「ええ、そうですね」


生活する上で必要な着付け、お風呂、トイレの違いに戸惑ってばかりだった頃を思い出した。


光秀「それに孕んでいるのを明かさず、一人で悪阻(つわり)と戦っていた。
 喉が傷つくほど吐いたのだろう?
 国から遠く離れた地で、さぞ心細かっただろう」

「っ!」


瞬きもせず光秀さんを見つめた。
そして、いつ見てもカッコイイ光秀さんの顔が……涙でみるみる曇って見えなくなった。


「光秀さん、は、なんでそんなに優しいんですか。
 いつもなんで私をわかってくれるんですか」

光秀「それはそうだな…、お前の思考は呆れるくらい真っすぐで素直だ。容易いことだ」


光秀さんは一度言い淀み、目を伏せた。


(最後だから……)


いつも感じていたことをそのまま光秀さに伝えた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp