第14章 未来を変える種
「ねえ、秀吉さん。家と家族、どちらかしか守れないとしたら、秀吉さんはどちらを守るの?」
少し長く話しすぎたようで気分が悪くなってきた。
胸を上下させながら呼吸をする。
秀吉「っ、大丈夫か?続きはまた明日にしよう、な?」
「ううん、今、聞きたいの」
ワームホールが開くまでもう幾日だ。
話しをするタイミングを逃してしまえば、ここで終わってしまう。
必死なお願いに何か感ずるものがあったのか、秀吉さんは一瞬言葉に詰まりながらもゆっくり答えた。
秀吉「どちらも大切で一概には言えない。
俺の代で成り上がった豊臣家にも三成のようについてきてくれる家臣が増えてきた。
運よく俺が長生きして、偉く強く?なったと仮定すると家臣も相当増えるはずだ。
豊臣家を支えてくれる者達も、家族も大事だ。比べられない」
「そう、だよね…」
押し黙った私に、納得したのかと勘違いした秀吉さんが、
秀吉「気が済んだか?」
と話を切り上げようとしたので必死に頭を回転させる。
(なんていえば間接的に伝わるかな。どうすれば秀吉さんの家族を守りたいっていう願いを叶えさせてあげられるんだろう)
吐き気を抑えるために唾を飲みこんだ時だった。
??「ふん、秀吉。貴様は愚かな男だな」
威厳のある低音の声がして襖がスラリと開いた。