第14章 未来を変える種
三成「……駄目、でしょうか?弱っておいでだというのに舞様は薬も飲めず、口にできるものは塩と砂糖だけだと聞きました。
もしかしたらと藁にもすがる思いなのですが……」
言葉通り切羽詰まった顔をしている。
(匂いとか駄目かもしれないけど…でも)
「ありがとう、三成君。今度、猫さんを連れてきて欲しいな」
三成君がぱっと顔を輝かせ微笑んだ。
(ふふ、三成君の笑った顔、綺麗だな)
天使のような笑みを久しぶりに見た気がして、私まで笑顔になる。
三成「…舞様の笑っているお顔を久しぶりに拝見しました。とても可愛らしいです」
ニコニコと笑いながら言われ、気恥ずかしくなった。
(三成君はさらっとそういうことを言うから照れちゃう)
三成君は『明日にでも連れてまいりますね』と言って、部屋を出て行った。
吐き通して気を失った後にも関わらず、三成君との会話で心がポカポカと温かかった。
(ありがとう、三成君……)