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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第14章 未来を変える種


喉に物が詰まったような感覚は胸全体へと広がって吐き気に変わった。

横になろうと、目をつむろうと吐き気から逃れることはできなかった。


(お母さんもこんな感じだったのかな)


遺影でしか見たことがない母の顔が浮かんだ。

もともと虚弱体質だった母は私を身籠るとすぐ、酷い悪阻で長期入院を強いられたという。

悪阻が出産まで続いた結果身体を弱らせてしまい、出産時の出血多量もあって出産後1週間ほどで亡くなったそうだ。


(お母さんと体質が似ていたら私も悪阻が酷くなるのかな)


なんの根拠もないけど、そんな不安がつきまとって離れない。


(謙信様…)


不安に押しつぶされそうになりながら愛しい人の名を心の中で何度も呼んだ。



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