第14章 未来を変える種
三成「家康様が居れば何か良い薬を処方してくださるかもしれませんが、文をしたためて助言をいただきましょうか?」
恐れていたことを言われ、急いでお願いをした。
「あ、駄目。家康は久しぶりに国元に帰って忙しいだろうだろうから、そっちに専念して欲しいの。
だから知らせないで欲しい。家康にも、政宗にも心配させたくないの、お願い。
家康がくれた血の巡りを良くするお薬がまだたくさんあるから、それを飲んで大人しくしてるよ。
母もね、同じような症状があったの。体質が似ちゃったみたい」
そう言うと二人は納得してくれたようだった。
報せが届けば助言どころか、家康自身が安土に来てしまうかもしれない。
家康は鋭いから変調の原因をあっさりと見抜くだろう。それは政宗も然り。
大好きな二人の顔を思い浮かべ、謝った。
(ごめんなさい。皆…嘘ついてごめん)
辛くなって俯くと肩から髪がこぼれ、表情を隠してくれる。
申し訳なくて、秀吉さんと三成君の顔を見ているのが辛い。
秀吉「疲れたか?長居しすぎたな、三成そろそろ行くぞ。
舞、絶対安静だ。女中にもっと部屋を暖かくするよう、言っておく」
秀吉さんは私を寝かせると、押し入れから掛布団を出してきて、たくさん掛けてくれた。
三成「秀吉様、布団で舞様の顔が見えなくなりそうです」
秀吉「しまった、掛けすぎたか」
布団を掛けたり、仕舞ったりと大騒ぎしてから二人は帰っていった。