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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第14章 未来を変える種


信長「…どうした?」


目を閉じていた信長様が目を開け、そのままの体勢で顔を覗き込んできた。


「っ、どうしたら身体が温められるか、考えていただけです」


(目をつむっていたのに、勘が鋭い方だな…)


内心の些細な動揺に気づかれた。


信長「それを考えるのはお前ではなく女中だ。
 俺からも命じておく」


私の流れ落ちていた髪を耳にかけなおしてくれる。


「っ!」


男の人にそんなことをしてもらった経験がなく、耳をかすめた指先にぴくりと反応してしまう。


信長「ふっ、初心(うぶ)な反応だな。貴様、夜伽を断り続けておるが、よもやその齢で生娘か?」

「なっ!?そんなわけじゃないです。っ、なんてこと言わせるんですか」

信長「悔しいなら俺の相手をして証明してみせるんだな。
 寒いというなら毎夜温めてやっても良いぞ?」


(相手って、夜伽の!?)


「寒いからと言って夜伽はしません!信長様には濃姫様がいらっしゃるでしょう?
 その辺で拾った女を相手にしてはいけません」

信長「濃がいるのは確かだが、貴様に手を付けても特に問題ないが?
 それにたまたま拾った女が思いのほか毛並みがよく、俺は気に入っているのだがな」


膝の上から赤い瞳で見上げられ、言葉を失う。
冗談めかした口調だったけど、真剣…な気がした。


(いつもみたいに私をからかってるだけだよね)


「駄目です。私の国では一夫一妻制なんです。
 奥様がいらっしゃる方とどうこうなる気はありません」


はっきり断ると信長様は『なかなか懐かん娘だ』と笑い、そのまま目を閉じて寝息をたて始めた。


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