第13章 二人の絆
「あっ!」
信玄様が首すじから耳にかけて舐め上げた。
ぬるっとした生暖かい感触に身が震えた。
「や、やめてください!」
信玄「君が一筆書いてくれるならな」
囁きながら耳たぶを舌で柔らかく弄ぶ。
両手は一つにまとめられ、信玄様の片手でやすやすと固定されてしまった。
「こんな、こんなことするなんて!あなたのこと見損ないましたっ!!」
吐息がかかる距離で信玄様を睨みつけた。
信玄「俺も無理強いするのは嫌いなんだがな。手段を選んでいられない理由があるんだ。
天女のような君に嫌われるのは本意ではないが抱かれてもらう」
あっという間もなく帯を解かれ着物の前を乱された。
身悶えして抵抗するとか、そんな暇も与えないくらい早かった。
「っ、いや!やめてください」
手は拘束され足を割られ、体格差もある。
頭の中で嫌だ、どうしよう、助けて、と叫びをあげる。
信玄「やっぱり無理やりってのは嫌なもんだな」
影を帯びた声が聞こえたけど、やめてくれる気はないようだ。
首筋をなぞり鎖骨に辿り着いた指先が襦袢の合わせを左右に広げていく。
胸の頂きが顕わになりそうな、そんなギリギリまで襦袢を肌けられ息を呑んだ。
信玄「せめて…痛くしないと約束しよう」
「そんなのっ……!」
(痛いとか痛くないとか問題じゃない。やることは同じなんだから)
怒りで我を失いそうになる。
こちらに向けられる憐みの目が心底憎い。
「たとえあなたに辱めを受けようとも、謙信様が……謙信様がそんな身体になった私でも良いって言ってくれるならっ………私はあの方の傍にいきます!!
二人で生きてみせます!卑怯者のあなたの策になんか絶対負けないっ」
人をこんなにも憎いと思ったのはこれが初めてだ。
恐怖じゃなく、怒りで身体が震えた。