第13章 二人の絆
信玄様に手を引かれながら宿の廊下を歩いていると、なんだか本当にお姫様にでもなった気分だ。
半歩前を歩く信玄様を観察する。
(背が高い…180㎝ありそう、いやもっとあるかも。
肩幅広いし、がっしりしてるし、腰の位置が高いなぁ)
モデル体系に感心していると、信玄様がくっと喉を震わせた。
信玄「そんなに見つめられると穴があきそうだ」
(う、甘い……)
流し見る目も、笑いを含んだ声も、軽く流している髪の毛も、全部が全部女性を虜にするような甘さと艶を含んでいる。
話すスピードも視線を動かすタイミングも計算してやっているのかと勘ぐってしまうくらい色っぽい。
「え、えっと、すみません。信玄様があまりにイケメン過ぎて見とれてしまいました」
信玄「いけ…めん?」
信玄様が『ん?』という顔をした。
(わわわっ!信玄様の色気にあてられて現代用語を使っちゃった!)
「素敵な男性のことを国ではイケメンって言うんです」
信玄「へぇ、それは光栄な話だな。
ああ、可愛い君を口説く絶好の好機だが、先に謙信の使いに会って要件を済ませてもらおう。俺は後から君とお茶をするよ」
艶っぽく笑い、信玄様は去っていった。