第12章 看病七日目 木製の鈴
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安土城の自室に戻ったのは夕日がまだ眩しい申の刻(16時)だった。
早めに宿を出なければ明るいうちに城に着かないだろうと心配顔で言われ、後ろ髪ひかれつつ城へ帰ってきた。
途中、佐助君が待っていてお城の近くまで送ってくれた。
歩きながら謙信様と晴れて恋人同士になったことを伝えた。
「謙信様が好きだから現代へは帰らないことにしたの」
そう伝えたら佐助君はとても嬉しそうに(といっても目元が少し和らいだだけ)していた。
佐助「俺もこの時代に残るよ。4年間こっちで過ごしている間に、気づけば俺も春日山の一員になってしまっていたからね。
謙信様と君が一緒になってくれて嬉しい」
城門が見えてくる場所までくると『またそのうち安土にくるよ』そう言って佐助君は帰っていった。