• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第12章 看病七日目 木製の鈴


謙信「よい。俺の足で温めろ。こんなに冷たくては寝られないだろう?」

「は、はい」


腕の中に閉じ込められ、謙信様の香りと温もりに包まれる。
私の頭に顎を乗せたのか、コツンと堅い感触がした。


謙信「女とはかように細く、小さな存在だったか…。
 わかっていたつもりだったが、こうして触れていると改めてそう感じる。
 力をこめたら手折(たお)ってしまいそうだ」


たしかめるように背骨や、肩甲骨、首筋に触れられる。


「ふふ、大丈夫です。謙信様が思うよりも頑丈ですよ」


身体を弄(まさぐ)る指がくすぐったくて身悶えする。
頭の上で謙信様が笑う気配がして、


謙信「お前はどことなく兎に似ている。こうして撫でると、少し震えるところが」

「うさぎですか?可愛い動物にたとえてくれて嬉しいです。
 そういえば越後のお城にうさぎが居るんでしたね、何羽くらい居るんですか?」

謙信「最初は3羽だけだったが、気が付けば数えきれないほどになっている。
 たまに庭に降りれば纏わりついてきてかなわん」


謙信様の足元にまとわりつくうさぎを想像してしまい、笑いがこみあげてくる。


「ふふっ、動けん!って言いながら撫でてあげるんでしょうね、謙信様は優しい方だから。」

謙信「俺を優しいなどと言う女はそう居ないぞ?」

「そうですか?とてもお優しいと思いますが…」


体温を分けてもらっている足がぬるくなってきた。温まるのはきっとすぐだ。
堅い胸に頬を寄せるとたまらない幸福感に襲われる。


「謙信様。こうしていると、すごく幸せ…で…す」


大好きな人に抱きしめられて、身体がポカポカして安らいだ気持ちになる。


謙信「俺もだ。ゆっくりおやすみ……」


(おやすみなさい)


心地良く穏やかな気持ちで意識はすっと落ちた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp