第11章 看病七日目 愛を交わす(R18)
「だ……め…です。それは…あぅ!」
ギュッと瞑った目と眉間に寄った皺が快感と戦っているのを表している。
言葉を裏切るようにナカは歓び誘うように収縮し始めている。
(身体は欲しているとういのに口では断るか…)
理性を総動員させて腰の動きを止めた。
舞は息も絶え絶えに、突然止んだ快感に抗議の声をあげた。
(お前が駄目だと言うなら、そうするが……)
舞の身体はむしろ『欲しい』と言っている。
見返してくる薄茶の瞳は揺らいでいる。完全な拒否ではない。
あてがわれた名も知らぬ女達からは執拗に欲しがられ、心の底から惚れた女には断られる。
(なかなかに難しいものだな)
自嘲し、諦めず舞の本音を引き出そうとしたが断られそうになった。
「だ……ん!」
二度目の『駄目です』を言おうとした口を奪いとる。
蕩けさせるように舌を絡めると舞はそれ以上言葉を紡げない。
駄目という理由はわからぬでもない。
種が根付いてしまったら負担は女の身体にかかる。
だがそれだけではない何かを舞は恐れているようにも見えた。
その恐れが何なのか聞いてやるべきだったと後々後悔することなど知らずに、快楽の狭間にその疑問を……故意に後回しにした。
謙信「……それは俺にとって歓迎すべきことだ。
お前を俺の傍に置く、確たる理由になるからな」
婚姻の申し出を受けてもらったが、今一度責任の所在を確かにする。
たとえ孕んでも舞が不安に思わぬよう……
「はっ、ま、待ってくだ…さい、動いちゃ……あぁ!」
何か言いたい事があるようだが全身で俺を感じ、とろけてしまって言葉が続かない。
我慢の重ね合いでもうお互い限界にきている。
(このまま無理やりお前を蹂躙するのは容易いが……)
舞の肩口に顔を埋め、きつく抱きしめた。
目を閉じると、俺の下ですがるように抱き着いてくる身体を感じる。
(俺に頼り、全て委ねてくれる愛しい存在に無碍なことはしたくない)
口では駄目と言いながら舞は達しそうになると足を絡めて腰を押し付けてきた。
身体はこんなにも欲しがっているのにと残念でならない。