第11章 看病七日目 愛を交わす(R18)
謙信「固まっている暇はないぞ。見張りが納得する演技をしてみせろ」
娘「あ……」
指で女の良いところを攻めると、娘はあっという間に果てた。
足の間から溢れた愛液が褥にシミを作っている。
娘の着衣を直しているうちに襖の向こうにあった気配はどこかへ去っていった。
謙信「これで良い。なかなかの演技だった」
娘「は、はい。ありがとうございます。さらしをとってもかまわないでしょうか?」
謙信「いや、今しばらくしていろ」
娘「はい」
従順な女はそのまま座っている。
謙信「父のことをどう思っている?こんなことをされても慕っているのか?」
娘「いえ…。もともと父とは折り合いが良いとはいえず、今回のことで愛想が尽きました。
恋仲の人と越後を出ていこうと思っています」
謙信「ならばこれを持って行け。売って金に換えればしばらくは苦労せずにすむだろう。
やむおえぬ事情だとはいえ、お前の身体を汚して悪かった」
目隠しをして何も見えていない娘の手に、簪が入った箱を渡す。
伊勢に贈ろうと用意していたものだが、もう必要ない。
貰い手を失った簪がいたいけな娘の役に立つのならと渡した。
娘「そんな、汚したなどと。私はそんなふうに思っていません。お館様は守って下さいました。
本当にありがとうございました」
謙信「礼は必要ない。今回の件は俺にも責任がある。
話は終いだ。せいぜい恋仲の男と遠くへ行くのだな。
ああ、安土はすすめないぞ。そのうち俺が攻め入る場所だからな」
娘を襖まで案内した。
謙信「さらしを取る。振り返らずそのまま行け」
娘「そのような無礼なことは…」
謙信「かまわぬ。今夜のことは忘れろ。お前に触れた男は生涯一人だけだ」
女の言葉は遮りさらしを取り去ると、襖をあけて背中を押してやった。
女が振り返る前に素早く襖を締めた。
やがて女が去った気配がしたところで従者をよんだ。
謙信「褥が汚れた。取り換えろ」
女中たちが布団を交換する様を見守る。
女の愛液がついた布団を見れば、俺と枕を交わしたとぬか喜びをするだろう男に吐き気がするようだった。
(あの男、そのうち手酷く灸をすえてやる)
謙信「こんなことがいつまで続くのだろうな…伊勢」
綺麗に整えられた褥をボンヤリと眺めながら、ひとりつぶやいた。