• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第1章 触れた髪


謙信「勝手に怒って、よそ見をするからだろう」


(あれ?すこし拗ねてる?)


それでも一瞬後には、いつもの感情の読めない表情になり、立ち上がった。


謙信「酔いは覚めてきたか?もうそろそろ行くぞ」

「あ、はい!」


急いで立ち上がったせいで、少しふらつく。
謙信様の手が、目の前に差し出された。


(?)


謙信「また転ばれては困る。手をとれ」


(…優しいな)


『ああ見えて悪い人じゃない』と言っていた佐助君の気持ちがよくわかる。


ソロソロと謙信様の手をとった。

さっきは強引に手を繋がれてお寺まで来たけど、今度は優しく私の手を握ってくれた。

その手の大きさに男の人を感じてしまい、くすぐったい気持ちになる。


謙信「…行くぞ。大通りまでで良いか?」

「はい!あの、ありがとうございます。
 謙信様はとてもお優しいですね」

謙信「また戯言を…」


そのまま謙信様に手を引かれ歩き始めた。

日が落ちて暗くなってしまった道を謙信様は迷いなく歩く。

街灯もない真っ暗な道は本来なら怖いはず…なのに、繋いだ手から伝わる謙信様の温かさを感じていると、全然怖くなかった。

舗装されていない道に時々足を取られたけれど、その度に謙信様がそっと支えてくれて、無事に大通りに着くことができた。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp