第11章 看病七日目 愛を交わす(R18)
(姫目線)
謙信「お前を抱きたい、今すぐ」
抱きしめられたまま耳元で囁かれたけど、それ以上触れてこない。
(返事を待っていてくれてる……?)
謙信様はこういう時、強引に奪いにくる方だと思っていた。
息つく暇も与えないように、全て奪いつくす方なのかと…。
キスは不意打ちで奪われたけど、プロポーズも、キスより先のことも、私の了承を得るまでは待ってくれている。
(大切に思ってくださってるのかな…嬉しい)
「私の気持ちを聞いてくださってありがとうございます。嬉しいです」
背中に回した手にキュッと力をこめる。
逞しい背中の感触にドキドキする。
「越後に帰ってしまう前に、あなたの色に染めてください」
『抱いてください』なんて恥ずかしくて言えなかった。
(わかってくださる…よね)
伺うように見ると謙信様が至極嬉しそうに微笑んだ。
謙信「ああ、全て俺の色に染め上げてやる。
離れても俺を忘れぬよう……愛してやる」
そう囁き身を寄せると私の耳たぶをカリ、と齧った。
首を噛まれたときと同様、捕食された気分だ。
(あ…これから謙信様に………)
求められ、応じたのは自分だ。
でも急な展開で心がどこか追いつかず、ざわついた。
謙信「舞…」
再び布団に寝かされた。
謙信様は覆いかぶさり、肘をついて私を見下ろした。
謙信「そう固くなるな。俺が怖いか…?」
「いえ、怖いわけではありませんが…。
謙信様に触れられると想像しただけで心臓が飛び出そうです…」
謙信「ふっ、嬉しいことを言ってくれるな」
謙信様は目元を和らげ、顔を寄せてきた。
またとろけるようなキスをしてくる。
「はっ…ん」
(っ!!……手が)
謙信様の手がするりと身体をなでた。
身体のラインを何度かたどるように往復し、わき腹から這い上がるようにして胸へと触れてくる。
着物の上からやんわりと触られ、その優しい刺激に身体がホッと緩んだのは束の間で、謙信様の指が着物の中に入ってきた。