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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第8章 看病六日目 道ならぬ恋


(姫目線)


佐助「感動だ…。こんな立派な年越しそばが食べられるなんて」

「おおげさだよ、ほら冷めないうちに食べて。
 はい、天ぷら!」


細かったり太かったりと不揃いなお蕎麦と、海老天、イカ天、野菜天などをのせた大皿をドーンと置く。


謙信「………」

「好きな天ぷらをとって食べてくださいね!お蕎麦の上にのせて食べても良いし、そのまま食べても良いですし!」


瞬きを繰り返す謙信様は、佐助君が食べるのに習って食べ始めた。
天ぷらを齧っていても、お蕎麦をすすっていてもどこか上品だ。


(ほんっと重症だな)


諦める気があるのかと自分でツッコミをいれる程胸が騒がしい。
明日こそはときめかない!と決めてもあっさりと翻弄される毎日だ。


(一緒に居る間は無理だなぁ、今だけときめくのを許してもらおう)


誰に許しをもらうかはさておき、二人共よく食べてくれるので作った甲斐があったみたいだ。


(ふふ、食べ盛りの息子をもった気分)


パクパク食べる佐助君に対し、謙信様はゆっくり、静かな動作で食べている。

それなのに食べる量はそう変わらない。
一口が大きいのかと思えばそうでもない。


(よく噛んで食べているし……魔法?)


お蕎麦をすすりながら首をかしげた。


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