第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
謙信「…こら。戯れはその辺にしておけ」
「だって…謙信様がちゃんとキスしてくれないから…」
謙信「っ、舞がいう『ちゃんとしたキス』とはこれのことか?」
心外だと言わんばかりに謙信様の身体がズイと近づき、貪るように口づけされた。
「ん!っは…」
謙信「こうして…触れてしまえばっ、止まらなくなるから嫌だったのだ」
一度離れた唇がまた深く交わる。
口内を暴かれ、舌を絡ませているとお互いの体温が上がってきた。
身じろぎしようとすると体重をかけられて動きを封じられた。
謙信「はぁ、その身体で動くな…」
「あ、そんな…だって……」
口づけを受けて身体が勝手にくねってしまう。バスローブが肌蹴け、直接シーツに擦れて気持ちが良い。
さっきまでぬくぬくとくるまっていた羽毛布団が、謙信様と私を隔て、突然邪魔に感じられた。
「あぁ、謙信様……触って、欲しい……」
帰らなきゃいけないのに、身体が火照って仕方ない。
きっちり服を着ているのは、二人きりの時間は終わりだと言われているようで恨めしい。
謙信「今日は駄目だ。流した血の量を見ただろう」
「う……どうしても?」
あんなの生理二日目だと思えばたいしたことない。でも謙信様にとっては重大事件だったみたいだ。
謙信「っ、どうしてもだ。そのような愛らしい顔で強請るなっ」
「だって……」
二色の瞳が面白いくらいに揺れている。
私の言葉に翻弄されるなんて、謙信様らしくない。
それくらい出血にショックを受け……だから簡単に私に惑わされている。
謙信「だってではない。駄目だと言ったら駄目だ」
「もう私は結鈴じゃないんですから、パパ口調で怒らないでください……」
(ちょっとだけ触って欲しい)
謙信様の手をとり、布団の中に導いた。
意図がわからず謙信様の手は素直についてくる。
フニュっと柔らかい膨らみにそれを押し付ける。
直接感じた謙信様の温もりにホッとして、謙信様は渋い顔になった。
謙信「っ、こら」
「だって……今日はあまり触って貰ってないんです…。少しだけ…気持ち良くして頂けませんか?」
謙信「っ…」
苦悶の表情の奥で、理性と本能が戦っている。胸の膨らみに置いた手は指1つ動かない。