第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
布団の中で確かめると、着た覚えのないホテルのバスローブを身に着け、肌は汗をかいた名残もなくサラサラしている。
髪も同じく、絡まることなく櫛削った状態でヘッドボードの方に向かって流されていた。
(謙信様に全部やらせちゃったってことっ?!)
慌てて身体を起こそうとして止められた。
謙信「舞の世話をするのは好きだ…気にする必要はない。それよりも動く時は慎重にしろ。
鎮痛剤で痛みが抑えられているようだが、お前の身体は酷く傷ついている」
「鎮痛剤…ですか?」
動きを止めると、謙信様は布団を掛けなおしながら頷いた。
謙信「気を失ってすぐに、舞がいつも持ち歩いている解熱鎮痛薬を飲ませた。
出来る限り気をつけて抱いたが、少なくない出血をしている…。必要以上に動くな」
「え…そうなんですか?」
恐々お尻に力を込めてみたけど、少し痛むだけだ。
あんなにのけ反って筋肉を強張らせていた全身も怠いだけでなんともない。
覚悟していた痛みがないのは謙信様が薬を飲ませてくれたから、らしい。
「ありがとうございます。そんなに血が出たんですか?」
謙信「ああ…交わっている時から、俺のものに血がまとわりつくほどに…」
端正な顔立ちがぐっと歪んだ。
羽毛布団がガサリと音をたててめくられ、そこに白いバスタオルが敷かれていた。
謙信様がそれをどけるとシーツが血で汚れていた。
交わっていた場所からこぼれた血が円形に広がり、律動の際に飛び散ったのか小さい血の跡が点々とついていた。
「そんなに……っ!?」
びっくりして凝視すると謙信様は隠すようにバスタオルを元に戻した。