第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
そこまで言い、ふと頭をよぎった映像。
秒でチャンネルを変えたが、先程テレビに映った男女の姿。
舞は顔をそらしたから見ていないだろうが、あれは嫌がる女の両手を一人の男が掴んで動きを封じ、もう一人の男が犯しているところだった。
(もし誰かに……奪われたら…?)
心臓が嫌な音を立てて跳ねた。
(落ち着け。俺が傍に居る限り、そんなことを許すはずがない)
鎮めようとしたが、暗雲が立ち込めるように胸の内が昏くなっていく。
他の男が…と想像しただけで吐き気がする。
誰も受け入れたことのない後ろ。
……残っているなら奪われる可能性はある。
ギリ…と奥歯を噛む音がして、舞が怪訝そうに見ている。
「謙信様?そんなにお嫌でしたらやめましょう。
ごめんなさい、変なことをお願いして。嫌でしたよね、このまま抱いて頂けますか?」
俺の雰囲気が変わったのを感じ取ったのだろう。
あれほど懇願していたというのに、舞はあっさりとひいた。
謙信「気が………変わった」
「え?」
俺が傍に居れば万が一などない。
離れる時は信頼ある者に護衛を命令すれば良いだけのこと。
だが、それだけでは気が済まなくなった。
もし隙を突かれたら…、もし護衛を命じた者が愛らしい舞に邪(よこしま)な思いを抱いたなら…
『奪われるなら謙信様がいいです』
(そうだ…奪うなら……)
欲を埋めたまま舞の身体を反転させて四つん這いにさせた。
(誰かに奪われるくらいなら俺が奪う)