第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
「ん」
口からちゅぽんと抜けた欲は相変わらず狂暴な姿をしていたけど、一度吐き出したことで芯が柔らかくなり始めていた。
えづくほど美味しくないものを吐き出されたにも関わらず、嫌悪どころか愛おしさしかない。さっきまで口の中に居たのにと名残惜しささえ感じる。
謙信「舞っ、あれほど無理して飲むなと言っただろう?口をゆすげ」
わきの下に手が回り、ヒョイと身体を持ち上げられた。
謙信様の膝の上に招かれて大人しくしていると、謙信様はシャワーのお湯を出してヘッドを近づけてくれた。
「ありがとうございます。もう大丈夫です」
両手にお湯をためて数回うがいをしてからお礼を言うと、謙信様はお湯を止めて私を抱えたまま湯船に腰を落とした。
心配そうに顔を曇らせ、顔に張り付いた髪を払ってくれる。
気持ち良かったという表情じゃなくて、寂しくなった。
「謙信様…飲んだらいけませんでしたか?」
謙信「口にしたことはないが相当不味いだろうことは想像できる。お前の口を汚すだけでも躊躇ったのに、飲み込み、腹に収まったのかと思うと…なんというのだろうな…罪悪感に襲われる」
謙信様の手が胃の辺りにあてられた。
「汚れていませんよ。謙信様がくれたものなんですから…。
私は謙信様を気持ち良くしてあげられてとても嬉しいです」
美味しくなかったのは事実だけど、望まれればまたしてあげたいと思った。
お湯の中でぎゅっと抱きしめられた。
少し興奮状態だった私は包まれるように抱きこまれて、身体から力が抜けた。
謙信「ありがとう、舞。慣れないことをして疲れただろう。少し休め」
「はい。気持ち…良かったですか??」
珍しく謙信様の視線が泳ぎ、少し気まずそうだ。