第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
紙には『アナル初心者にも安心の極小ビーズ♡ラブローション試供品付き♪』と書いてある。
よく見れば透明フィルムの中にローションの試供品が見えた。
きっと謙信様は手に持っているモノがお尻用だとは気づいていない。
前に『こちらを犯す趣味はない』って言っていたけど、ちょっと不安になった。
(うー…あれで極小サイズなの?信じられない…)
本来ならばハート型のものは可愛らしいと思うのに、今はただの円形じゃないことが凄く卑猥に見える。全長だって結構ある。
焦る私をよそに、謙信様は『ラブグッズとは何だ?』と平気な顔をして聞いてくる。
「え!?えーと、えーと……、とりあえずお茶でも飲んで一息ついてください」
手にのっていたモノを取り上げ、ソファのところまで強引に引っ張った。
謙信様はわけのわからない顔をして、まださっきのピンクのアレを気にして振り返っている。
「…すぐお茶をお出ししますので、待っていてください」
ドキドキする心臓を鎮めるために深呼吸をして茶葉を蒸らしていると、またしても…
謙信「これはなんだ?」
(今度は何っ!?)
猛然と声がした方を向くと、ラブグッズ一式を販売しているケースの前に謙信様がしゃがみ込んでいる。
それはソファに座れば当然目に入る場所に置かれていた。
内心絶叫しながら謙信様とケースの間に身体を滑りこませて視界を遮った。
「け、謙信様っ!!これは駄目です、ここにあるのは全部駄目!」
謙信「理由を聞かねば何が駄目なのかわからなぬぞ?
見た目の感じから、さっきの物と同類のようだが?」
「う」
チラリとケースの中を覗くと、さっきの物よりも本格的なあんなものやこんなものがライトに照らされて見えている。
ローションや卑猥な形状の物がいくつも目に入り『うわぁぁぁ』と泣きたくなった。
用途がわからないグッズもあって、きっとケース横にぶら下がっているラミネート加工された紙に使用用途が書いてあるんだろう…。
(まさか、まさか!使うって言わないよね!?)
ラブグッズなんて使用したことがない私は、半ばパニックになって必死に訴えた。