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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀


初めて訪れた場所に来ると謙信様は必ずひと巡りしてくる。

不審な物が紛れていないか、誰か潜んでいないかという確認と、何かあった時の逃走経路など。

危険な戦国時代で生まれ育ったからそうなんだろうけど、今日はそれがちょっぴり困った事態を引き起こした。


謙信「ここの風呂は広いな。湯を溜めるボタンを押してきた。後で共に入ろう」

「一緒にお風呂に入るなんて結婚式以来ですね。恥ずかしいですけど嬉しいです。
 今お茶を用意しているのでお待ちくださいね」


ミニキッチンが備え付けてあったのでお湯を沸かした。

ほうじ茶のティーパックを出していると謙信様の声が、ソファではなくベッドの方から聞こえてきた。


謙信「これはなんだ?」

「え?」


ナイトテーブルに置かれていただろう物を手に取り、謙信様が首をかしげている。

避妊具かと思えば、それはそれでヘッドボードの中央付近に置いてあるのが見えた。


(なんだろう?)


お茶を入れる手を止めて確認しに行くと、謙信様の手の上に一目でラブグッズとわかる代物が乗っていた。

シリコン製と思われるそれは色が鮮やかなピンクで、リング状の持ち手に立体型の丸みのあるハートビーズが5個連なっていた。
ビーズは先の方が小さくて、持ち手に近づくにつれて徐々に大きくなっている。


「え、え、え?なんでそんなものを持っているんですか?」


卑猥なモノを謙信様が手にしている衝撃に、両手で口を覆ってしまった。


謙信「ここに置いてあった。このホテルはオープン一周年だそうだ。
 『一周年を迎えた記念に今月ご滞在されたお客様にラブグッズをプレゼント』だそうだ」


クールな表情から察するに、手に持っているものが何なのかわかっていない。

差し出された紙を見ると確かにそう書いてあって『グッズは全4種類。ランダムでお部屋にご用意いたしますので、商品は選べません』とあった。

紙には4種類のグッズの写真が小さく乗っていて、小さな字で用途が書いてある。

謙信様が手に持っているグッズを見て息をのむ。


(うそ……、なんでよりによってこれなの?まさか使わないよね)


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