第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
――――
――
ラブホテルのゲートをくぐり、空いている部屋を見つけて車を停めた。
サイドブレーキをひいてエンジンを切ると、謙信様が周囲を見渡した。
謙信「ここは?」
「呼び方はいくつかあるんですが一般的にラブホテルと呼ばれています。恋人同士が利用する宿泊施設で、休憩といって数時間の滞在にも使えます。
ここは建物が独立しているヴィラタイプですが、独立していないホテルタイプもあるんですよ」
まさか謙信様にラブホテルの説明をする日が来ようとは思いもしなかった。
車から降りてボタンを押すと、モーター音がしてカーテンが降りてくる。謙信様はその様子をじっと見ている。
謙信「車を隠すのか?」
「ここに来る目的が目的なので…」
(うー、いちいち説明するのが恥ずかしい!)
謙信「なるほど」
カーテンが完全に降りて少し薄暗くなった車庫から、部屋に続く扉を開けた。
先に謙信様を促して、後に続く。
靴を脱いでいる最中に勝手に鍵がかかってしまったものだから謙信様が驚いている。
とじ込められたと思ったのかもしれない。
「お会計を済ませると鍵が開く仕組みになっているので心配しないでください。
帰る時にこの精算機で支払いを済ませるんです」
玄関脇の壁に設置されている機械を示すと、仕組みがわかったのか警戒を解いた。
謙信「これならば人がいなくとも無銭で滞在されるのを防げるな」
靴を脱ぎ終えた私の手をとりながら、謙信様は室内へと興味を移した。
(ふふ、突然だったけど、ラブホテルも定番といえば定番だよね)
胸を弾ませ、室内に足を踏み入れた。