第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
謙信「舞……家に帰るのが惜しい…」
二度目のプロポーズをしてくれた後、謙信様が囁いた。
交わした口づけの名残で唇が濡れ光り、二色の瞳は色濃くなって熱を孕んでいる。
現代での最後のデートだし、戦国時代に帰ってしまえば護衛だなんだと、二人きりのデートはできないかもしれない。
まだ帰りたくないと甘えてくれた謙信様の願いを叶えてあげたい。
(私ももう少し二人で居たいな…)
佐助君達に帰ると言った時間までまだある。もう少しプロポーズの余韻に浸りたい。
見つめてくる謙信様が何をしたいのか、何を求めているのか、意識した途端に身体が熱くなった。
謙信様にすぐ反応してしまう身体は、恥じらいと愛しい人を求める欲がせめぎ合い、やがて混じり合った。
「謙信様、行きましょう」
身体を離すと謙信様が『嫌だ』というふうに顔をしかめた。
「ふふ、まだ帰りませんから」
謙信「……?」
先に立ち上がって謙信様の手を引っ張った。
どこに連れて行くのかと不思議そうな顔をしている謙信様に小さな声で告げる。
「触れ合える場所に……行きましょう」
恥ずかしくて視線を落とした私の手を、大きな手が握り返した。