第91章 現代を楽しもう! ❀お花見編❀
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はしゃぎまくってなかなか昼食をとろうとしない子供達を捕まえてご飯を食べ、その後また遊びに行くというので佐助君と信玄様が付き添ってくれることになった。
信玄「ボートに乗っておいで。姫は恋人と乗るのが憧れだったんだろう?」
後ろを振り返らずに走っていく二人を、信玄様が軽やかな足取りで追いかけ手を振ってくれた。
長い足にかかれば、子供達は直ぐに追いつかれてしまい『きゃー』『はやーい』と声をあげている。
目を惹く容貌の信玄様は周囲の視線を独り占めにしながら、尚も生き生きと笑っている。
佐助君は荷物をまとめて車に持って行く準備をしている。
佐助「恋人とボートっていうのはわかるな。
いってらっしゃい、舞さん、謙信様」
「ありがとう、佐助君。頃合いを見てこのお金で綿あめを買ってあげてくれる?さっき食べたいって言っていたから」
佐助「わかった」
佐助君に見送られながらボート乗り場に向かう。
「やっと二人になれましたね」
謙信「二人きりどころか、ずっと花の下に居るというのにゆっくり見ていられない」
文句を言っていても顔は穏やかで本音じゃないのがわかる。
今の謙信様は花より団子ならぬ、花より家族みたいだ。
お皿を手に『結鈴はどれを食べたいんだ?』と嬉々として取り分けていたし、龍輝がむせれば『お前には落ち着きがたりない。ゆっくり飲め』と世話をやいていた。
「ふふ、謙信様って、以前にも少し思ったことがあったのですが、世話やきタイプですよね?」
本当に近しい人にだけだと思うけど。
謙信様は心当たりがあるのか、涼しげに笑った。
謙信「愛らしいものには手を伸ばしたくなるだけだ」
「ふふ、嬉しいです」
??「舞?」
「え?」
不意に名前を呼ばれて正面を向いた。
そこに立っていたのは……