第91章 現代を楽しもう! ❀お花見編❀
「そんなに強いでしょうか…」
気が強いと言われたことはあまりない。
結鈴が『ママ―!見て!』と高くジャンプしてくれたので手を振ってこたえた。
ジャンプする度にパンツだけでなくおへそもチラ、チラっと見えている。
(あれで本当にあと10年でお嫁にいくのかな)
疑問に思いながらも会話を続ける。
謙信様も子供達に目を向けながら続けた。
謙信「性格の話ではなく、心の強さを言っている。
生きようとする強さ、人を認める強さ、許す強さ、人を助けたいと思うのもまた強さだ。
心を病んでいた俺を救ってくれたのは舞の強さだ」
肩に回った手に力がこもった。
謙信「俺を選んでくれてありがとう、舞。お前だけを愛し、守り抜く。
そしてお前と俺が愛している者達もずっと守っていくつもりだ」
「謙信様……」
子供達を見守る横顔は決意に満ちていて、格好良かった。
(嬉しい)
「ふふ、子供が生まれてから気が付きましたが、守り続けるというのは時に酷く疲れるでしょう?謙信様は強いですけど、どんな人間であろうと休息は必要だと思います。
私も謙信様をお守りしますから、いつでも甘えてください」
肩に回っていた手が動き、確かめるように二の腕をむにむにと掴んだ。
そして肩を撫でて、骨の感触を確かめながら、何やら嬉しそうに笑っている。
(なんだろう。スキンシップ?)
「?」
謙信「このように非力な身体つきをしていながら俺を守ると言い切るあたりが、無謀な強さともいえるのだが、同時に愛しいと思う」
遠くを見ていた視線がゆるりと私のところに戻ってきた。
薄く微笑む表情はとても嬉しそうだ。
謙信「舞にはいつも俺の心を守って貰っている。
案ずるな。お前が傍にいてくれる限り、疲れることはない」
「謙信様……」
このまま抱きついてしまいたい。
でもやっぱりここは桃色の空気が不似合いな遊具の前だった。