第91章 現代を楽しもう! ❀お花見編❀
二人は並んで私と結鈴の前を歩く。
木漏れ日が二人にチラチラとあたる度に、褪せた髪色がキラキラと反射する。
(綺麗な色だな、二人共)
結鈴「ねえねえ、ママ。今日はパパと龍輝の服、お揃いなの?」
「ふふ、気が付いた?ペアルックの服はないから同じような色合いにしてみたんだ♪」
謙信様は白のYシャツにサックスのスキニージンズ。
龍輝は白の七分シャツにインディゴのズボン。
髪色も肌の色も一緒だから、どこからどう見ても親子だ。
龍輝が大きくなれば後ろ姿で区別できなくなるかもしれない。
結鈴「結鈴もやりたかったなぁ。今度ママと一緒にやる!」
「ふふ、じゃあ今度のお出かけの時にね」
のどかな会話をしながら桜を眺める。
今日は真っ青な空が広がっていて、桜の花がより一層際立ち、綺麗に見える。
「綺麗…」
結鈴「お花落ちてないなぁ」
「まだ全然散っていないもんね」
結鈴は桜の花を諦めて、タンポポを見つけて手に持っている。
「あと1週間くらいすれば散り始めるかもね。
また来週のお休みにドライブしながら来てみようか?散っている桜も綺麗なんだよ」
戦国時代に戻ってしまえばソメイヨシノは見られないし、この時代の思い出を少しでも増やしてあげたいと思う。
まだ小さいから忘れてしまうかもしれないけど。
公園を半周したところで遊具のある場所に着き、二人は一緒に駆けていった。