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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀


――――
――

無事に食事が終わり子供達が庭に出ていく。


「靴下はいたの?龍輝、ジャケットのボタンが止まってないよ。マフラーは?」

龍輝「いってきまーす」

「あ、手袋っ」


追いかけようとして後ろから回ってきた腕に絡めとられた。
首だけ後ろに巡らせると謙信様が居た。


謙信「そのように手厚く世話をしなくとも、子は寒ければどうにかするものだ。
 昨夜は可愛かったぞ、舞。お前がどれほど俺のことを好いているのか身をもって証明してくれた」

「う…」

謙信「来年も、その先も、ずっと共に歳をとっていこう。
 互いの髪が白くなるまで、な」


耳たぶを甘く噛まれた。


「ひゃん!!」

謙信「舞は年をとっても変わらずに愛らしいのだろうな」


変な声をあげたのを咎めるでもなく、謙信様は笑っている。


「む…それを言うなら謙信様はお歳を召しても格好良いと思います」


二人で見つめ合っていると『ごほん!』と咳払いがした。


佐助「あー、お邪魔して申し訳ないのですが靴を履かないと出かけられないので…」

「さ、佐助君」


見ると佐助君が物凄く居心地悪そうに立っていた。
ここは玄関で、大学院に行く佐助君が靴を履きにくるのは当然だ。


(今の見られた?聞かれた!?うわぁ~~)


ばかっぷるの烙印確定だ。穴があったら入りたい。


謙信「裸足で行け」


謙信様は腕を解いて佐助君の視界から私を隠してくれた。
ユラリと立ち上がった背中からは気のせいか負のオーラが出ている。


佐助「昨夜に続き、謙信様の不機嫌メーターがMaxにしてしまった…。
 舞さん、一度メーターをリセットさせるために今日は外泊してくるよ」

「わ、わかった」

謙信「ほう、その言いぐさではこの場から生きて逃れられると思っているようだな、佐助」

佐助「!!いってくる」

「いってらっしゃい!」

謙信「待て、佐助っ!邪魔だてしたからには成敗して……」

結鈴「パパ、まーだー?泥んこでうさぎを作ってみたの、見て??」

謙信「っ……わかった」


闘争心を無理やり鎮めた姿に、吹き出しそうになる。


「謙信様もいってらっしゃい」

謙信「庭に居る。何かあったら声をかけろ」

「はい」


謙信様の背中が玄関の向こうに消えるまで見送った。

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