第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀
私は本当に、
謙信様が格好良すぎて、
目を回した。
「う、うーん、お酒を少ししか飲んでいないのに酔っぱらっちゃいました…」
謙信「っ!?舞しっかりしろ」
頭に血が巡り過ぎて思考がクルクル回り、過去の『あの時』のことを思わず口走ってしまった。
「宿で眩暈がしたのは湯あたりじゃなくて、謙信様がしどけない姿で目の前に座っていたからなのに……」
謙信様の眉がキュッと寄った。
謙信「なんのことだ?いつのことを言っている。
……っ、あの時の挙動不審はそういうことだったのか」
目を瞑った向こうで謙信様が焦っていて、なんだかおかしくなってクスっと笑ってしまった。
謙信「倒れ伏しておいて、笑うやつがいるかっ!」
「すみません」
謝りながら『謙信様のせいじゃない?』と思ったのはナイショだ。
誕生日の夜は甘くすごそうと思っていたのに、甘すぎて目を回した私は、そのまま謙信様のベッドに寝かされることになった。