第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀
信玄「謙信、俺からは木製のシャープペンだ。市販の木製品を買ってきて金具の部分を木製に変えたんだ。これならあっちに帰る時も持っていけるだろ?あと、芯が120本ずつ入る紙の筒を5個作った」
佐助「流石信玄様、器用ですね。
羨ましいな。これは俺も欲しいかもしれない」
佐助君が100%木製のシャープペンシルをまじまじと見ている。
謙信「信玄が祝いの品などと、どういう風の吹き回しだ。いつもなら酒だろう」
信玄「何言ってんだ、こっちに来てからというもの、謙信は酒を飲まなくなったじゃないか。
昔は乾いて乾いて仕方なかった何かを姫に満たしてもらってるんだろう?羨ましい限りだ」
謙信「……戯言を」
(なんか恥ずかしいな)
聞こえてるけど聞こえていないふりをして乾杯に使うグラスをカウンターに並べていく。
結鈴達と一緒に食器類を運び、メインのちらし寿司ケーキをテーブルに乗せると皆感心して見てくれた。
信玄「誕生日ケーキのようだが、甘くないケーキなんだな。
これなら謙信も食べられるな」
佐助「さくらでんぶでハートマークが…」
結鈴「結鈴がつくったお花の人参も綺麗でしょ?」
謙信「そうだな、とても綺麗だ」
龍輝「僕ね、この枝豆をさやから出して、薄皮剥いたの」
謙信「お前は不器用なのによく頑張ったな」
龍輝「へへ~」
錦糸卵をふんだんに敷き詰め、その上に枝豆や人参、砂糖醤油で煮た椎茸のスライス、酢レンコンが乗っている。
ご飯を切った時に綺麗な層になるように、刻みのりやとろろ昆布、鮭フレークを挟んである。
「子供達が食べられないので生ものは別皿に用意しました。お好きにとって食べてください」
ケーキに蝋燭を刺そうとしたら謙信様に止められた。
謙信「蝋燭はいらない。お前達3人が作ったものに、穴を開けるのは惜しい」
「そうですか?じゃあ、クラッカーを鳴らして乾杯にって、大人の飲み物を忘れてた!!ちょっと待っていてくださいね。
佐助君、悪いんだけど子供達のコップにお茶を入れておいてくれる?」
佐助「お安い御用だ」
(よし、イメトレした通りに…)
時間との勝負だとお店の人に言われていたので何度もイメージトレーニングしておいた。