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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀


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――

お目当ての品は無事に予約ができて、その日からは大忙しでパーティーの準備に取り掛かった。


龍輝「ママ、大変!パパが帰ってきたよ」


家の前で自転車がとまった気がして、外の様子を窺(うかが)っていた龍輝が、慌てて走ってきた。


「え!?早くない?わわ、急いで隠して、隠して!」


玄関の戸が開く音がした。

三人がかりでキラキラ折り紙を使ってお花を作っている最中だったので、折り紙や割りばし、ボンドが散らかったままだ。

きっとすぐそこのドアが開くまで10秒もないだろう。


(サプライズで用意しているのに見つかっちゃう!)


「どうしよう、見られちゃうっ」

結鈴「結鈴、いってくるね!」

「え?」


隣に座って折り紙をしていた結鈴がたたっと駆けていった。
リビングに通じる扉の前で二人が会話しているのが聞こえる。


謙信『結鈴、ただいま。良い子にしていたか?』

結鈴『うん!あのね、ママに二階のトイレの窓を閉めてきて欲しいって言われたの。
 鍵に手が届かないから、パパにもついてきて欲しいなぁ』

謙信『そのくらい容易い。一緒に行こう』


足音が去っていく音がして『結鈴、ナイスアシスト!』と感謝しながら急いで折り紙を仕舞った。


「ふう、なんとかなった…。よかったぁ」


片付いたテーブルの上に突っ伏していると、龍輝がニコニコと笑っている。


龍輝「続きは今日の夜だね」

「うん、今夜も『寝かしつけはママが良い』って言ってくれる?」


謙信様に見つからないように家の中でプレゼントを作るのはなかなか難しい。
それも幼い二人に教えながらなので余計に時間がかかっている。

あの手この手で時間を作り、まさか寝かしつけていると見せかけて折り紙を折っているなんて、謙信様は思いもしないだろう。


龍輝「いいよ!でも昨日、ママと寝たいって言ったらパパがちょっぴり寂しそうにしてたよ」

「う…確かに。今夜で完成すると思うから、今夜だけ我慢してもらおう。頑張るよ、龍輝!」

龍輝「うん!」


結鈴と龍輝の協力を得ながら、どたばたと誕生日の用意をすること3日。

なんとか当日を迎えることができた。


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