第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀
謙信「出かけたくなくなったか?」
「ん、もう!謙信様の意地悪っ!」
正直、出掛ける気分は失せてしまったけど、頭に思い浮かべている物は手に入れたい。
「夜、続きを…してくれますか?」
身体の奥に灯った火をどうにかして欲しい。
唇をとがらせてお願いすると、蕩けるような笑みが返ってきた。
謙信「もちろんだ。お前が望むなら今すぐにでも、だがな」
「今は駄目です!」
謙信「わかっている。ほら、行ってこい」
あっさりと腕をほどかれて促された。
「はい、いってきます………」
数歩離れたところで、また戻る。
「い……」
謙信「どうした?」
(ああ、やっぱりばかっぷるから抜け出せないかも)
あっさり離れていった腕が、もう恋しい。
「い、いってきます!」
ちゅ
謙信「っ」
(は、恥ずかしいっ)
反応が怖くて大股で玄関に向かう途中、頬に手を当てた謙信様が視界の隅にチラッと見えた。