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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第89章 最終章 3人一緒


秀兄「じゃあ俺も行くよ。子供二人でなんて、放っておけない。
 それに……なんでかな、『舞』っていう女性に凄く興味が湧いた。会ってみたい」


秀兄はあっさりと話を受け入れて付いてくると言った。
信がうんざりしたような顔で息を吐いた。


信「秀兄だって二十歳になったばっかじゃん。それで大人って言うなら詐欺だぞ。ついてこなくていい」

「なんで?私は秀兄も一緒の方が安心するよ?
 私達、子供の頃からずっと一緒だったじゃない。
 信は頭が良いけど処世術?みたいなの駄目だから、物腰穏やかな秀兄に居てもらった方が絶対いいよ」

信「あのなぁ、俺だってその気になれば普通に話せんの。
 お前と家族の前だ、素を見せてんのは」


信がふんと鼻を鳴らす。

そう言われれば確かに信は友達とか知り合いが多い気がするけど、なんというか、頭は良いし、見た目が怖いし、畏敬の念?みたいな眼差しで見られているような……。

秀兄のようなナチュラルな人間関係じゃない気がする。


秀兄「邪魔しないから、な?俺も連れて行って損はないと思うぞ。
 しかしお前のご先祖様か……綺麗なオッドアイなのかな。
 会えるのが楽しみだ」


垂れ目がちな目が、優しく笑いかけてくる。
少し苦みを帯びた煙草の香りが鼻を掠め、ドキリとした。


「…っ、秀兄…近いよ」

秀兄「おっと、意識してくれるのか、可愛いな?」

信「っ!いちゃついてないでさっさと仕度に入れよ!ったく余計なのが一人増えた!」


漆黒の髪を揺らし、信だけ先に歩いていく。


「あ、待って!!」

秀兄「おいおい、置いてくなよ!俺達は3人一緒、だろ。な?」

「ふふ、うん!」


信は聞こえているだろうに返事をしないで大股で歩いて行く。


秀兄「しーんー!この靴買ったばっかりで気に入ってんだ。
 戻って来れないかもしれないなら履いて行ってもいいか?」

信「はっ!?どうでもいいし、そんなの!」




二日後、三人は忽然と姿を消した。



何の変哲もない細道……かつて『本能寺跡』の石碑があった場所で………







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