第89章 最終章 3人一緒
?「そうだ。女の人の名前だけ書かれていたんだ。
調べてみないとどんな人物の血液かわからないが、何か手掛かりがあるかもしれない。
劣化して灰色になっているからどこまで調べられるかわからないがやってみる」
「そ、そう。がんばって」
熱烈に語る幼馴染の勢いに気後れしそうだ。いや、している。
まったく知らない人の血を調べようとしているなんて、大丈夫だろうか。
500年前は医療が未発達だったから血液中に病気の要因となるものが含まれていてもおかしくない。
幼馴染に大昔の病気が伝染しないか不安だ。
?「これで何かがわかれば、俺はワームホールが開く瞬間に立ち合い、タイムスリップできるかもしれない」
「………本気で言ってるの?」
?「お前、馬鹿にしてんな?タイムスリップ理論は人類がもつ英知の結晶の最果てなんだぞ。
必ずその『道』を探し出してみせる」
「……せっかく才能に恵まれたのに、使う方向間違ってんじゃない?」
?「うっせーよ!このロマンがわからねーなんて、つまんないやつだな」