• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第89章 最終章 3人一緒



(??目線)


蝦夷から舞達を乗せた船が出てから約千年後。


日本。





「ねえ!宇宙物理学の学校を辞めちゃったって本当?」


学校からの帰り道、幼馴染が歩いているのを見つけて声をかけた。
幼馴染が足を止めて振り返った。


?「お前に関係ないだろ」


不機嫌をかくそうともせず、低い声で言い放った。

私の幼馴染は恐ろしく頭がいい。

日本の学校で教えることなんて小学生のうちに網羅して、海外の大学に幾つも籍をおいている。
ありえない。私なんかひとつの学校で出される課題だけでひーひーしているのに。


「だって宇宙物理学だけはもう何年も熱心に勉強していたじゃない。どうしたの?」


幼馴染はうるさそうに顔をしかめた。

普段から迫力ある顔をしているのに、そういう顔をすると余計怖く見える。
まあ幼馴染だから全然怖くないけど。


?「うるさい」


素っ気なく言い放ち、足早に歩きだした。
昔はもっと仲良しだったのに、最近つれない。


「待って、一緒に帰ろうよ。どうせ家が隣なんだし」

?「………」


否定しないけど、返事もしない。
何を考えているのかわからない横顔を見上げる。


少し会わなかったけど、また背が伸びたかな?
背格好もしっかりしてきて『男の人』になった気がする。

幼馴染がどんどん変わっていくのに私は何一つ変わらない。
ジリジリと焦りのようなものがこみあげる。


?「髪」

「え、何?」

?「髪と目。なんで色を変えてるんだ」


唐突に聞かれ自嘲気味な笑いを返した。
数日前の学校の出来事を思い出し、憂鬱になった。


「なんかね、地色なのに学校の先生に『色を戻しなさい』って言われちゃって」

?「は?なんだそれ。出生時の身体データを調べれば地色かそうじゃないかなんてわかるだろ」


幼馴染の緋色の瞳に怒りが浮かんだ。
素っ気なくても、私のために怒ってくれるんだと気分が浮上する。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp