第89章 最終章 3人一緒
✿一気読み姫様はひと休み…していられない!?✿
秀吉「っ、舞!」
「秀吉さんっ!!あれ?なんでだろう……涙が…っひく」
秀吉「いきなり泣くやつがあるか。相変わらず世話がやけるな。
手拭いを貸してやるから顔を拭け。よくここまで来たな」
「う、うん、ありがとう」
信長「随分と手間取ったな。皆に顔を見せてきたか」
「はい」
光秀「ならば行こうか。今度は襖を開けたらすぐ…とはいかないぞ?しっかり手を繋げ、結鈴…」
結鈴「はい。龍輝、手を握って」
龍輝「うん。瑞穂、手を繋ぐよ」
瑞穂「はーい。パパ、手…」
謙信「ああ。舞、手をとれ」
「はい。秀吉さんも…」
秀吉「手、離すなよ」
「もちろん。もう、離さないよ。ずっと一緒に居ようね」
謙信「……無性に人が斬りたくなってきたんだが」
「っや、やめてくださいね!?秀吉さんは兄がわりなんです」
謙信「兄…」
秀吉「しかし舞の娘か……」
光秀「妙な下心を抱くなよ」
秀吉「抱くかっ!!」
「なんだろう。光秀さんと秀吉さんを見てると、また涙が…」
謙信「豊臣、貴様これ以上舞を泣かせるようなら斬るぞ」
秀吉「っ!?」
「わーーーーー!謙信様、やめて下さい。涙なんてないです。ほら一滴も!
えーと、えーと、あっ、早く行くんでしたよね!秀吉さん、信長様と手を繋いで!」
秀吉「僭越(せんえつ)ながら、お手を…」
信長「うむ。今度こそ最後まで供をせよ」
秀吉「はい」
信長「光秀、俺の手をとれ」
「……円になっちゃったけど、これでどっか行くの?歩きづらくない?」
信長「歩かん。「飛ぶ」のだろう?」
「え?」
謙信「半年も、500年も、1000年もほんの一瞬だ。そういうものだと舞が教えてくれた。行くぞ」
「っ!まぶし…………!!」
姫が見たのは夢現(ゆめうつつ)の世界。
何が夢で、何が現実なのかわからない。
光った先に見えたのもまた…夢現…