• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第88章 幸せを願う



『この方』?


『不躾』?


普段絶対使わない言葉だ。

無意識にこの男性にかしずきたくなる衝動。


(誰……。この人は誰なの。私は……誰…?)


仕事中だからと酷い動揺はひた隠し、営業スマイルでやり過ごした。

お会計時にご主人が耳元で何かしら囁き、すぐお客様は真っ赤になっていたけど見て見ぬふりをした。

でもやっぱり動揺は表に出てしまうもので、


?「ありがとうございました。またおこしください」


と言ってしまった。


このお客様は近々海外に行くからアロマオイルのレシピが欲しいと依頼してきたのに。
『またおこしください』なんて無理な話だ。

もっと気のきいた言葉をかければ良かったと後悔している時に、自動ドアを出たお客様の声が聞こえた。


謙信「こら、その靴を履いて走るな」

「だって謙信様が……!………!……!無駄に色気をふりまかないでください!」



(け、んし、ん様………………)


また眩暈がした。
どんな字か聞かなくてもわかったのは何故だろう。



『謙信様』だ



(謙信様……何…、なんで……)



その名前に涙が出てきた。



/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp