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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第87章 この命、尽きるまで


龍輝「俺さ、あっちに行ったら、いっぱい勉強して信長様の部下になりたい」

「え……?」


突拍子もないことを言われ、目線を遠くから龍輝にやった。


龍輝「だって蝦夷に来た時、信長様は俺と母さんを守ってくれたから、お礼がしたいんだ。
 信長様みたいに強くて、格好良い人になりたい」


強くて格好良い人ならここにたくさんいるけど、と思いながら龍輝の想いを尊重してあげる。


「そっか。信長様は厳しいし本当に怖いよ。でもそれだけじゃない、凄い人なの。
 龍輝がそうしたいと思うなら頑張ればいいよ。ママは応援するよ」

龍輝「…うん」


会ったことがない頃から龍輝は信長様が好きだった。

実際会って憧れがやまないのなら、その想いは止めてもきかないくらい強いだろう。

だったら好きなようにやらせてみよう。

相手が信長様ならきっと良くも悪くも見極めてくださるはず。


「………」


成長すればするほど謙信様に似てきた龍輝の頭を撫でた。

身長は私を追い越し、まだまだ伸びそうだ。
褪せた金髪が潮風に吹き乱れ、輝きを放っている。


「ちゃんと見ているから、ね」


切れ長で、左右色違いの目がキラキラと希望で輝いている。
夢を叶えたいと胸がいっぱいみたいだ。


「ふふ、ママも寂しがってないであっちで頑張らなきゃ」

龍輝「母さんはあっちでデザイナーになるんだよね?カッコイイ服、俺に作ってよ」

「もちろん!」

結鈴「何話してるの?」


結鈴が甲板をたたっと走ってきた。


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